日本語と日常、ときどき思索沼にずぶずぶと

日本語教師の、母親の、一個人の頭の中を綴ります

見えないスタッフロール

私は冷凍食品が大好きです。だらけ母の代名詞だとしても、昨今の冷食の進歩には目を見張るものがあります。原材料にも気を配ったり、何より美味しい。

安定しているのはニチレイフーズ。今はもう売ってないんだけど今年の私のヒットは「レモングラス香るパクチーチキン」でした。現在販売中で一番のお気に入りは「しいたけの肉詰め」です。ゆずの香りがいいんだよー!柑橘女にはたまらないツボ。ここで「これ、ゆずを入れた方がいいかも!」って思いついた方がいたおかげで、私はごきげんでこれを酒の肴にしております。この秋には今川焼のチョコ味がバージョンアップして登場。それと同時に今年めっちゃハマった今川焼クリームチーズが生産終了で、涙。

 

ふと、どんな人がこれを考えて、どんな人たちが工場で生産しているんだろうと思うのです。今は外国人労働者がこうした食品加工の生産現場でも大切な労働力となっていて、そのお陰で食卓が潤っているのです。映画やゲーム、ドラマとかの映像作品ではスタッフロールが出るけれど、世の中にはいっぱいいっぱい、いろんなところにスタッフロールが連なっているのです。もちろん、映像作品のスタッフロールにも「○○のみなさん」とかでいっしょくたにされたり、スタッフロールから漏れたけど関わった人たちもいっぱいいて。

あ、そういえば下町ロケットでも阿部ちゃん(役名失念)が「アイロンを作った人の名前は知らないけど云々」とかいう場面がありましたが、そんな気持ちです。顔も名前も分からなくて会うこともないんだろうけど、それでもあなたにありがとうと言いたい、そんな気持ち。今川焼クリームチーズ入れたらどうでしょう?と考え付いた、あなた。パクチーブームだからレモンと合わせてチキンにしましょうという考えを受けて商品化を決済した、考案者の上司。言い出せばきりがありません。

 

私は「ゆず胡椒高菜」というお漬物が大好きなのですが、それが近所の店で売られなくなった時、動揺のあまり発売元宛てに「関東のどこで売っているか教えてほしい」とメールしたことがあります。その時併せて「毎日このお漬物がないと始まらない、買えなくなってとても悲しいいつも作ってくれてありがとう」といった思いも一言添えました。すると、数日後には最寄りの販売店を教えてくれた上に、「あなたのメールを朝礼で読みましたところ従業員一同喜んでおりました、今後もがんばります」といった内容のお返事が届きました。ありがとうは、人の気持ちの栄養素になるんだなあと、ほんわか思った出来事です。

 

いろんなところに、見えないスタッフロール。誰かが頑張っている、読めないけれど、見えないけれど、多くの人の名前がそこにはある。お礼を言いたくてもどこにいるのかわからない人が、世界中にたーくさん。

だからだから、せめて、自分が顔を合わせて声を掛けたりメールのやりとりができる間柄の人には、しっかり自分の声で言葉でありがとうを伝えたいのです。